たまには仕事のコトを。
最近、広告の現場で
手書きの鉛筆ラフがめっきり少なくなってきた。
自分もそう感じるし、よくカメラマンも口にする。
カラーのラフ(カラーカンプ)が主流だ。
確かに最終の仕上がりがリアルに判断できるカラーカンプは
クライアントにとってわかり易い。
プレゼンの際、モノクロラフで勝負しても
おそらく採用されないと思う。
...でも、自分は手書きでモノクロのラフでよく仕事を進めるし
その方が好きだ。
理由は2つ。
まず、カラーカンプはオリジナリティーに欠けてしまう点。
特に写真が重要なファクターとなるデザインの場合、
雑誌からスキャンしたり、レンタルフォト、フリー素材など
在りものを使用せざるをえない場合が多い。それはある意味パクリに近い。
(カラーカンプのためだけに撮影すれば別なのだけど)
それと比べると、鉛筆で自由に表現できるモノクロラフには
オリジナリティーがある。
2つ目。
カラーカンプはラフの段階で最終の仕上がりが見えてしまい。
その後の撮影やフィニッシュは
どうしてもカラーカンプに近づける...という作業に陥りやすく
ラフ以上のものを創るというモチベーションを持つのが難しい。
その点、モノクロラフの場合は、
最終的に写真やコピー、色や文章を配置した時に
その広告の最終段階がはじめて見えてくる。
その瞬間がくるのが何とも待ち遠しい。
予想以上にいい出来の場合の達成感は格別だ。
ただ、モノクロラフで進めるには
クライアントとの信頼関係も確実に必要だし。
撮影のディレクションなどは
撮影の事を熟知していなければいけないし
慎重にならなければいけない。
なにせ、ライティングのイメージなどは
自分の頭の中にしかないのだから。
最終的に写真を配置した時に
しまった。こうした方がよかった。...という反省もある。
でも、広告を作るうえでのワクワク感、緊張感は
圧倒的にそこにはある。