手書きのラフ

 
 
 
 
たまには仕事のコトを。
 

 
最近、広告の現場で

手書きの鉛筆ラフがめっきり少なくなってきた。

自分もそう感じるし、よくカメラマンも口にする。
 
カラーのラフ(カラーカンプ)が主流だ。


ebi.jpg
 
 

 
 
確かに最終の仕上がりがリアルに判断できるカラーカンプは

クライアントにとってわかり易い。

プレゼンの際、モノクロラフで勝負しても

おそらく採用されないと思う。
 
 
 
 
...でも、自分は手書きでモノクロのラフでよく仕事を進めるし

その方が好きだ。


 
理由は2つ。

まず、カラーカンプはオリジナリティーに欠けてしまう点。

特に写真が重要なファクターとなるデザインの場合、

雑誌からスキャンしたり、レンタルフォト、フリー素材など

在りものを使用せざるをえない場合が多い。それはある意味パクリに近い。

(カラーカンプのためだけに撮影すれば別なのだけど)

それと比べると、鉛筆で自由に表現できるモノクロラフには

オリジナリティーがある。

 
 
 
2つ目。
 


カラーカンプはラフの段階で最終の仕上がりが見えてしまい。

その後の撮影やフィニッシュは

どうしてもカラーカンプに近づける...という作業に陥りやすく

ラフ以上のものを創るというモチベーションを持つのが難しい。

 


その点、モノクロラフの場合は、

最終的に写真やコピー、色や文章を配置した時に

その広告の最終段階がはじめて見えてくる。

その瞬間がくるのが何とも待ち遠しい。

予想以上にいい出来の場合の達成感は格別だ。
 
 
ただ、モノクロラフで進めるには

クライアントとの信頼関係も確実に必要だし。

撮影のディレクションなどは

撮影の事を熟知していなければいけないし

慎重にならなければいけない。

なにせ、ライティングのイメージなどは

自分の頭の中にしかないのだから。
 


最終的に写真を配置した時に

しまった。こうした方がよかった。...という反省もある。

でも、広告を作るうえでのワクワク感、緊張感は

圧倒的にそこにはある。

 
abebi.jpg
 
 
 

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Comments(8)

確かに!
実にいいです、ヒロマインド!
モノクロはその人本人、「名刺」みたいなもんすね。
カラーは、PCやソフトの力借りれますからね。

わたくしごとですが…
映像もソフトがより使い易く進化し、映画が編集できてしまうような世の中です。
一時、ハイビジョンハンディカムまで買ってそっちの方を目指そうとしましたが、
気持ち悪くなって、アナログに戻りました。
今はいかにアナログ感(オリジナリティ)を出すかがマスターベーションです。

人によって良し悪しですが、
モノラフでプレゼンするヒロさんでいてくだせー!

「盛り付け」より、濃くのある「味付け」で!

ヒロさんに語れる立場じゃございやせんが…
失礼しました。
いつかHIRO'S BARで飲めるの楽しみにしとりますです。

なんかジブリ博物館で見たの下書きを思い出しました・・・・
なんだか難しくて、文章は理解できぬまま画像だけを見ました^_^;

新聞のように決まった字体を使われてる中に、上のような手書きの
広告だったら目立つのかもしれないけど、それ一枚を世に出すには
やっぱり、こういう仕上がりのものになりますよね?
個人的には上のような手書き。。。好きです♪
こういう仕事あこがれます(^^)
いいアイディアだすので雇ってください(笑)

charuさん。

しっかり語られましたな〜

確かにデジタル技術を駆使…つ〜たぐいは
ちょっと飽き気味だね。
映画もそうだけど、
やっぱ、映像より脚本、ストーリーが重要。

…「盛り付け」より、濃くのある「味付け」
う〜語られたね〜

一般人さん。

ジブリ…
そこまですごくはないけど
ボクの小学校の教科書の隅には
すべてのページにペラペラ漫画が描いてあったよ。
小さい頃は漫画家になりたいと思ってたからね〜

私には無知の世界だけど…手書きの下書き!?ラフって言うんだ!これ味があっていいね。
私のダンナはダクトを作ってるんだけど、手書きで製図を書き、シートをカットしていた時代を懐かしく思い出してたところなの。だって今はコンピューターが自動的に製図してシートを裁断しちゃうからね。
せっかくの技術がコンピューターで消滅していくのは哀しすぎるのよねぇ?
だから嬉しいよ!ヒロさんがこうして人間の温もりがこもったお仕事をしているなんて!!!頑張ってね?

記事を一つスルーしてました。

やっぱり手書きはあたたかい。
手で作り上げるハンドメイドには、
コンピューターでは表現できない人の力が
プラスされる気がします。
作り手の気持ちが、伝わりやすい気もします・・・?

デザインのお仕事は、ぜんぜんわからないので
一概に、そうも言えないかもしれませんが、
自分の仕事に置き換えてみると、
全て手縫いで仕上げるハワイアンキルトにも
同じことが言えると思います。
途中でミシンを使ってしまえば、
一針一針、大切に入れてきた命が
その一瞬で消えてしまうんですよね。

ちょっとちがう話かな?

ちさよさん。

今はあらゆる仕事において
職人気質が消滅しつつあるからね
アナログ、デジタルのバランスが大切だと思う。

ちさよさんのモノづくりは
圧倒的にアナログだもんね。
やはり、パワーを感じるよ。

makiさん。

キルトもジャズもどっぷりアナログWARLDだもんね。
お互い大切にしたいコトだよね。
つ〜か、目指してもデジタルなヒトにはなれないとも思うけど。
毎日、で1年間かけて制作したキルト…
頭がさがります。

…、でも、Macは直しましょうね。

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Profile

★ HIROYUKI YANAGIHARA

1965年岐阜市にて生まれる。 職業:アートディレクター。
カメラマン、グラフィックデザイナーを経て1994年有限会社BABO設立。
DESIGNにおいていつも心がけていること明快。シンプル。驚き。

最近では、子供の絵とコラボレーションしアート作品を制作する「Little Artist」のアートディレクターとしても力を注ぐ。

JAZZ、キャンプ、お酒を愛する。
JAZZアルバムのコレクションは2000枚以上。
キャンプは年間20泊以上。
お酒は休肝日、年間3日以下。

楽しいことしか一生懸命になれない自分。
人生残り半分。
後半は前半より楽しくいきたい。

☆ for Mobile

http://www.signal-jp.com/blog/hiroyuki-yanagihara/mobile/

2009.06.08

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