清水港。
2.5, 2014
清水港。
岐阜駅にほど近い閑散としたビル街に
唐突な店構えの居酒屋。
エアブラシを使ったトラック野郎風味の
素人ぽい味のある看板が気になり
勇気を持って入ってみることに。
へい、らっしゃ〜い!!
という大将の威勢の良い声を少し期待してたが
大幅に期待ははずれ、シーンとして
まったくのノーリアクション。
カウンターだけの8名程度の客席には
サラリーマン3〜4名ほどが
黙々と看板メニューの鉄火丼を食べている。
静かな店内に
テレビの国会中継だけが流れる中、
「鉄火丼!」と注文するも
軽くうなずく程度のリアクション。
そして少し待つと言葉もなく
目の前に鉄火丼がぽんと置かれる。
見た目は普通だが、600円にしては
そこそこボリュームがある。
食べてみると、驚くほどの
鮮度ではないが、海なき岐阜県で
食すまぐろにしては、まずまずの素材。
そうこうしているうち、
またもや無言で
みそ汁と小鉢(冷や奴)。
みそ汁は、見た目も味も普通だが、
あつあつでたっぷりの量があり、
雪の舞い散るこんな日には
ありがたい。
そんなこんなで
すべてを食べきり、お代を払う段になり
小銭があったか不安になる。
横の客が支払いの際に
「100円玉ないです。すみません・・・」
と大将に申し訳なさそうに言ってたからだ。
釣り銭のないように払うのが
この店の通の仕来りなのか。
なんとか財布には、600円釣り銭なしで
払えるコインがあったため
ことなきを得た。
さてと帰るか。
帰り際も無言なのかと思いきや
席を立つと、大将が蚊の泣くような声で
「あした〜」。と一言。
はじめてのコミュニケーションが
あした?
明日も来いというメッセージなのか。
いや、そんなわけはない。
きっと「ありがとうございました」の略なのだろう。
仮に、明日も来てください・・の略だったとしても
たぶん明日は来ないだろう。
総評としては愛想が悪いが味はいい!
とまではいかず、愛想が悪いが味も悪い!とまでもいかず
愛想は悪いが、味は普通。というところか。
食に関しては非常に保守的なので
あまり衝動的に知らない店に入ることのない
自分にとって、このような体験は本当に新鮮だった。
明日は来ないし、当分来ないとは思うが
またいつの日か、来たいと思う日が来るのを信じて
店を出た。
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