一泊二食
11.16, 2013
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おじさん超オススメのお風呂にようやく入ったけど、家庭用のお風呂がちょっと広いぐらいのお風呂で普通だった。
さっぱりして部屋に戻ろうとすると、廊下で手に桶とタオルを持ったおじさんとすれ違った。
なるほど。あんなにお風呂お風呂言うのは、おじさんがただお風呂に入りたかっただけなのかと納得した。先に入れよ。
もう寝よう。9時前だけどもう寝ることにした。いろいろあって疲れた。
テレビを点け、部屋の電気を消して横になり、しばらくすると壊れてる201号室の鍵が気になってしょうがなくなった。
そう今この部屋への出入りは自由なのだ。
僕は起き上がってドアの前に飲みかけのペットボトルを置き、誰かが入るとペットボトルが倒れるよう細工した。これで安心。
いやいや全然安心じゃない。楽しい旅行に来てなにやってんだと思ったがすぐ寝た。
ジリジリジリジリジリッーーーー!
ビックリして飛び起きた。まただ。これに慣れる奴なんているのか?心臓に悪いわ。
館内放送で【朝食の用意が出来ましたのでどうぞ】とかいう。
時計を見ると朝の7時だ。海辺の町の朝は早い。顔も洗わずに食事する部屋に向かった。
部屋に入って驚いた。お客さんと思われる家族連れ3人が先客でいた。いつ到着したんだろう?
テーブルは別だったので、軽く挨拶して食事を始めた。僕以外のお客さんをみてちょっと安心した。
食事は僕の今まで泊まった旅館の朝食ランキングでぶっちぎりの最下位だった。
けど、それよりも食べてる間ずっと隣の部屋からおじさんの
「ガラガラガラガラ~~ッペ!!ゲフゴヴォ!」ってうがい的な、そして嘔吐的な音が聞こえてる事のほうがつらかった。
ふと隣の家族連れテーブルを見ると、僕の朝食にはないフルーツ盛が提供されてて、あれ?おじさん忘れてるのかな?と思ったけど
最後までフルーツは僕とこには来ないままだった。もう要求するのもめんどくせ。
もう出発しよう。こんなに早く出発の予定ではなかったけど、部屋に戻り荷物をまとめフロントに向かった。まだ8時だ。
フロントでおじさんにお金を払う。¥9000って金額が高いのか安いのか、もう判らなくなっていた。今思えば高いわ。
おじさんはお金を受け取ると「2人で来るともう少し安いよ。そういうシステムだから。」と言った。
「システム」って言葉に違和感を覚え、また来る事があるのかなと思った。しかも2人ってないわ。
さらにおじさんは「1つ選んで。」と大きな段ボールをドカッと僕の前に置いた。
中には輪島塗を施されたハシが大量に入ってた。どうやらこの民宿はお土産付きのようだ。
右手にヘルメット、左手にハシ。グルメライダーとなった僕は海辺の町を後にした。
恐らく20代、30代の頃にこの民宿に泊まってたら文句ばかり言っていたと思う。
40代だからこそ怒りもせず、むしろいろんな理不尽さを楽しむ余裕ができたと思うわけなんですよ。一人だったし。
とはいっても、またあの民宿泊まりに行くか!って気には全然ならないです。
お土産のハシはどこかに失くした。
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