12.14, 2013

よく「好きな映画」の話をします。僕も映画好きだし、あんまり共通の話がない場合にとても便利な「お題」となるからだ。
好きな映画、一番良かった映画なんかを聞くと、その人の趣味趣向が垣間見えたりするのも良い点だと思います。
僕が一番好きな映画は「パルプ・フィクション」って答えます。何回も何回も何回も見てます。
全然似合っていない長髪のトラボルタがダンスするシーンがあるのですが、昔は踊りを完全再現できるほど見てました。
でも「かっこいいんだよ!サミュエル・L・ジャクソンがさ~・・ユマ・サーマンも最高にセクシーだし!」
って話しても結局見てない人に何の事やらサッパリなわけです。
そこで初対面の人とでも話題にできるのが「好きなジブリ映画」これ最強。
誰もが何かしら見ているジブリ映画。作品としてもそんなに多くはないし、しかも趣味が如実に現れるような気がします。
王道でいけばラピュタ、ナウシカあたり。2番手は千と千尋、ハウル、もののけ、豚あたりでしょうか。
どれも面白いと思います。僕も好きです。やっぱり宮崎駿作品が人気と思います。
でもね、なんといってもジブリ映画で一番良いのは「耳をすませば」と思うんです。異論は認める。
「耳すま」。全体的に漂う中2病臭。中学生がバイオリン製作を勉強しに留学!奏者じゃなくて製作で留学。
ラストは中学生が「オレと結婚してくれないか?」って衝撃の告白!中学のとき僕はイモ掘ってたのにだ。
まるで「あばれはっちゃく」を見ている時のような気分にさせる、こちらが赤面するようなピュアすぎるほどのラブストーリー。
恐らくジブリ作品の中ではそんなに評価も知名度もない方だとは思いますが、中年のおじさんにはグッと来るものがある。
僕も20代の頃は何とも思ってませんでした。でも30代、40代になってようやくこの映画の良さがわかった。
おじさんが自身の、もしくは憧れた青春時代を思う映画なんです。30代以降の男性の方は是非見て頂きたい。
きっと涙を流す人もいるでしょう。台詞の寒さにゾワゾワすることでしょう。でもキュンキュンするっスよ胸が。
好きなジブリ映画?「耳をすませば」でしょ!・・。って答えてくる人とは美味しいお酒を飲む事ができると思う。
12.10, 2013

会社員時代の話。
当時僕はシステムエンジニアとプログラマーの中間のような仕事をしていた。
顧客の会社の販売管理システムや経理システムをそこの業務に合わせて構築するのが仕事だ。
ある時、東京の割と大きな会社のシステム構築を担当する事になったけど、規模が大きかった為、
親会社と共同でのシステム開発となった。僕と上司、そして親会社から3人のチーム。
東京組は顧客先で開発、僕らは名古屋で設計とプログラムを作成して定期的に上京する、そんな日々が続いた。
でもこの仕事、短い納期の上に度重なる仕様変更が災いして今でいうデスマーチの様相を呈してきた。仕事がオワラネェ。
その頃には僕は東京の顧客先で徹夜仕事を繰り返していたけどスケジュールとの差は開く一方だった。
いよいよ納期まで1ヶ月を切ったある日、東京組の1人が言った。
「・・・池山さん、呼ぶか。」と
池山さん(仮名)。以前から耳にしていた名前だ。開発がピンチに陥ると颯爽と現れて短期間のうちにシステム構築を成し遂げ、
颯爽と去っていく。そんな都市伝説みたいな人。それが池山さん。そんなひといねぇよと思ってたんで実在してる事に驚いた。
数日後、池山さんはやってきた。
歳は40代半ば、シュッした面長の顔。銀縁のメガネの奥の眼光は鋭く、いかにもキレモノといった感じの人。
徹夜続きでヨレヨレの僕たちと違って、ピシッとしたグレーのスーツを着て、ピカピカのゼロハリバートンの
アタッシュケースを持ってやって来た紳士。カッコイイと思った。やっぱデキル男は違うなと思った。島耕作みてぇだと思った。
ただ1つだけ、上着の胸ポケットにセーラームーンの人形が入っている事を除けば。
池山さんは噂どうり仕事がめちゃくちゃ出来て、早かった。午前中に話した仕様のプログラムは午後イチには完成して問題なく
動かすことができる。当時の開発環境では考えられないスピードだ。
打ち合わせをしても先手を読み、ユーモアを交えて進行する。仕事はどんどん進んだ。
だが誰もセーラームーンについて何か言う者はいない。
「これ出来ないとお仕置きされちゃうねぇ」って独り言を聞き、納期1週間前ぐらいに池山さんがライブに行くから早退する
って聞いても誰も何も言えなかった。ちなみにライブはセーラームーンのライブ?だそうだ。気になるわ。
こうして池山さんのおかげで納期ギリギリで仕事を終える事ができた。
顧客先に滞在3週間、池山さんはポケットに入れてるセーラームーンを誰からも、お客さんからもツッこまれず、颯爽と去っていた。
もちろん去り際もセーラームーンの人形は胸ポケットにいた。南君の恋人のように。
ものすごく突出して何かをこなせて、人を助けられる立場になれば、何をしてても誰も何も文句は言わないって事を実践してた。
そしていろんな意味でデキル男はやっぱ違う。それが池山さん。
12.3, 2013

会社員時代にパチンコに通ったことがある。
当時の僕の仕事はとても忙しく、朝9時から夜の11時ごろまでずっと仕事してた。
20代前半、遊びたい盛りだったけど、遊ぶ時間がなかった。
稀に会社を午後10時ごろに退社する事があって、何かで遊びたい、そんな気持ちでパチンコに行った。
帰りは1人だったし、飲みに行くのも寂しいし、社員寮に帰っても冷たい布団が待ってるだけだから。
会社近くのパチンコ屋の地下1階ホール。不人気の台が所狭しと置かれてる場所が僕のホームグラウンドだ。
僕が打つのはきまって「ミサイル7-7-6」って機種だ。
これはよくあるデジタルが回って777って揃うと玉が出るって機種ではなく、いわゆる「一発台」。
下の画像の真ん中にある3つの穴の手前に玉が入ると大当たりってやつ。とてもアナログな感じ。
ただこの穴のところまで赤い線のラインで玉がなかなか通らない。当時1000円で1個入るか入らないかってバクチ台でした。
玉が運よく穴のところまでたどり着いても、クルクルと穴の周りの白い部分を何周かしてポトリと穴に落ちる。手前だったら大当たり。
奥の2つの穴に入ってたらはずれ。その瞬間がドッキドキ。

その日も1人でパチンコ屋に行った。「ミサイル」の台の列に行くと、いつもはガラガラなのに何故か人がいっぱいだった。
かろうじて1台空いてたのでそこに座り、踊るパチンコ玉を眺め始めた。
気が付くと僕の両隣の人は中国人で、僕を挟んで会話を始めた。
と思ったらその隣、またその隣と皆中国人だった。ここは今リトルチャイナや。
さらに気付くと僕の後ろに列全部の台をジッと観察してる男が立ってた。ちょっとイヤな予感がした。
でもまぁ観光でパチンコに来たのかなとも思った。
しばらく打ってるとふいに隣の男が何かを叫びながら右手を挙げた。彼の台を見ると玉が通ってクルクルと回ってる!
おお!大当たりくるか?!!って僕もちょっと興奮してた。
そしたら後ろで見てた男がすごい勢いで来て、台のハンドルをもつやいなや、ぶっ壊れる勢いで思いっきり引っ張った。
「バァァーーーーーーン!!」
台のガラスが割れんばかりの音がした。台座の一部が一瞬ズレる程の衝撃。僕はビビッた。超ビビッた。
正直漏らしそうになった。はっと気付いて隣の台を見ると大当たりしてた。
台に力を加えて玉を強引に手前の穴に落とす。これはゴト行為といって犯罪だ。
アカン、これはアカン。やり方がアグレッシヴすぎるわ!びっくりするわ、んもー!て思ってたら、
違う誰かが声を上げ右手を挙げた。すぐさま男が駆け寄り「バァァーーーーン!」てやって大当たり。
後ろにいる男は台を引っ張る専門のようだ。このバン男、タイミングを完全にモノにしてる。ある意味すげぇ。
その日、「ミサイル」を打ってるのは僕を除いて全員が中国ゴト集団だった。流石は雑技団の国。チームワークで攻略だ。
その後もアッチで「バァァーーーーン!」コッチで「バァァーーーーン!」。その度に大当たりの音が鳴り響く。
これはね、触らぬ神に祟りなしですよ。僕は見て見ぬフリを決め込んだ。通報するのもおっかねぇ。
とりあえず今は目の前の銀玉に集中しよう。パチンコなんて1人でするものだしー、
周りが何であろうと関わらなければ僕にはカンケーないしー、他人だしー
っていろいろ考えながら周りの状況を無視する事にした。
しばらく後、ついに僕の台も玉がやっと通った!穴の周りでクルクルと回り始めた!来いよ!大当たり、来い!
って思ってたらそれを見た隣の男が何か言って、右手を挙げた。
それを見て、まさか・・・ねって思ってたら急に後ろからハンドルをバン男に奪い取られ、次の瞬間、
「バァァーーーーーーン!!」
再び僕はビビッた。超絶ビビッた。ちょっと漏らした。そして僕の台は大当たりを示すランプが点滅し始めた。
振り返るとハンドルを引いた男が親指を立ててニッコリ笑ってた。
僕は引きつった笑いを浮かべ、とりあえず親指立てといた。なんか怖いし。
いやいやいや、仲間と思われるわ!違う、仲間違うアルヨ!
大当たり終了後、あらぬ疑いをさけようと大あわてで帰ろうとすると、バン男は親しげな顔をして
また親指を立ててコチラに向けていた。
人生最大の「大きなお世話」。
11.28, 2013
めずらしく衝動買いしたんですよ。
昔からSONYが好きでした。製品の独創性とかデザインとかが好きだった。
もちろんプレステってゲームが中心だったけど、SONY製品は他メーカーとは何か違うものがあって
トリニトロンやベータのビデオデッキ、そしてウォークマン。印象に残ってるものが沢山あったから。
でも最近、「SONYらしさ」をもつ商品って少なくなったなと思います。
「らしさ」って何かを説明するのは難しいけど、SONYファンにはわかるアノ感じが最近はなくなってきた。
ソニータイマー的なものは除いて。
そしたら先月発売されたのがこのカメラですよ。
SONY レンズスタイルカメラ QXシリーズ
これみて久々にSONY製品に物欲がわきまして。SONYらしさってのが感じられるわけですよ。
動画に出てくるザ・草食系男子がアイスクリームを服にベッチャリされても笑ってられる心の広さはねぇな~
でも相手が可愛い女の子だったら僕もそうするかな。相手がオッサンだったらクリーニング代を請求するなとか思いつつも
コレ欲しいと思いクリックして買いました。それが10月中旬の事です。
すっかり忘れてた。買った事忘れてた。先日代引きでお店に届きましてね。ビックリしましてね。
なんか品薄で届くのに1ヶ月かかったようです。コレあれですか自分自身へのご褒美ってヤツですか?ってやかましいわ。
僕が買ったのは小さいほうです。大きさはiPhone5と比べてこんな感じです。

レンズ型のカメラとiPhoneを無線(wifi)でつないで撮影が可能です。取った画像はカメラのメモリーカードと
iPhone両方に保存されます。iPhoneのカメラより多少キレイに撮れて、ズームも夜間撮影もキレイに撮れるようです。
特徴は分離した状態で撮影が可能な事。シャッターはレンズ側でもiPhone側でもOKなところ。

アタッチメントでiPhoneに装着できます。こうするとグッとカメラっぽくなります。

こんなカメラなんですが、盗撮に最適なのはさておき、レンズ分離でいろんなアングルから撮れる事。
飲み会に持ってくとそれなりにウケる事。ズームは確かにキレイに撮れる事。メリットはこれぐらいです。
これからブログに掲載する写真で大いに活躍してくれる事でしょうよ。きっと。
デメリットはたくさんあるけどいいんです。「SONYらしさ」を感じる事ができるんです。2万以上もしたけど、
さっと出してすぐ撮れないけど、よく考えたら充電をiPhoneとカメラ両方しなきゃいけないけど、
出番がねぇかもとも思うんですが、ホントはこれいらねんじゃねぇかとも思いますが、いいんです。
もしかしたら、動画のようにかわいい女の子とお知り合いになれるかもと思えばいいんです。
夕日をバックに女の子の横顔とか撮れるかもって、絶対ないわ。
11.24, 2013

ネコ飼ってます。名前はカツオといいます。
カツオはノラネコでした。
お店の隣のコインパーキングにいつのまにやら住み着いてた。
カツオはコインパーキングに来る人に人懐っこく擦り寄り、たまにもらえるエサをもらいながら生きていた。
雨の日や夜には車の下に入り込みジッとしている姿を何度も見かけた。
気が弱く、近所のボスネコに追いかけられ、追い詰められて尻尾を丸め込み、精一杯の声を張り上げているのだけど、
その声にはどこか弱々しさがあって、ボスネコにはかなわないのが一目瞭然だった。
やせ細り薄汚れたネコ。
毎日のように見かけるカツオに僕らは同情したけどそれが自然だとも思ってた。
それでも何度かはエサをあげたり、ボスネコを追い払ったりしてカツオを助けてあげた。
僕らはネコ大好きだ。
ある日意を決しカツオを呼んでみて、もし店に入ってきたら飼う事にしよう。そう決めてカツオにエサをあげて
呼んでみたけど臆病なカツオは店には入ってこなかった。
数日後、実家に帰った際、義父にカツオの話をした。
義父母はネコが超大好きで、実家にはネコが10匹いる。10匹。そう実家はネコ屋敷なのだ。
義父はカツオに興味津々となり、僕は密かに実家で11匹目としてカツオが飼われる事を願った。
すると翌日、義父母が店に来た。カツオを見に来たというのだ。
義父はエサを手に隣のコインパーキングでカツオを誘い出し、店の前まで連れてきた。義父はエサを持ったまま店に入り
「コッチ来い!来い!!来いぃぃ!!」
とデカイ声でカツオに呼びかけた。
カツオはその声に勇気づけられたのか、ビビッて動転したのか、エサが欲しかったのか、スッと店の中に入ってきた。
義父が振り返って笑顔で言った、「店に入ったら飼うんやろ?」
こうして僕らはカツオを飼う事を決めた。
あれから1年。カツオは太り、白い毛並みもキレイになり、食べ物も好き嫌いをするようになった。
僕の布団では決して寝ず、ヨメの布団で寝る。
手をガシガシ噛んでくるので生傷が絶えない。最近は電気ストーブ前とホットカーペットの上から動こうとしません。
体重は6キロを超えました。フライングボディアタックは呼吸が止まりそうになります。
たぶん僕はちょっかいを出しすぎるので嫌われ気味です。
でもカツオ、かわええです。
*下の写真はカツオが家に来て間もない頃。耳の中は汚れ、鼻のあたりがキズだらけだった。

11.20, 2013

「マムシだ!」
オヤジが目の前の草むらを見て叫んだ。
僕と兄貴は驚きながらもその場を動けずにいた・・・・・・
よくオヤジに連れられて山に行きました。まだ小学生だった僕は2つ上の兄貴と一緒に山で遊んだり、竹の子を掘ったり、
ドジョウを捕ったり、山での遊びや、今でいうサバイバル術なんかをオヤジに教わってた。
オヤジは山の事なら何でも知ってて、僕ら兄弟はオヤジの事を山のヒーローと思ってた。
もちろん山のヒーローに連れてってもらえる山の事を僕は大好きだった。
オヤジは赤松林の斜面の下から見るだけで何処にマツタケが生えてるかを判った。教えられた場所からはマツタケが採れたし、
いろんな種類のキノコを収穫できた時は本当に嬉しかった。
ただ問題はそれが人様の山だった事だ。
今思えば泥棒ですよ。いや当時も泥棒です。時効です、ごめんなさい。
さらに、よくよく思えばカスミ網(違法です)を仕掛けたり、他にもかなりキワドイ事やってた。
何度かそれがばれそうになったときにオヤジは僕らをダシにしてその危機を乗り越えてた。
山の持ち主や山林保安官に見つかったとき、オヤジは「子供が山で遊びたいって言うから~遊ばせてるんや~」と言った。
僕らのリュックには収穫物がギッシリ詰まってるのにだ。
まさか子供連れで悪事を働いてるとは夢にも思わないのか、おじさんたちは微笑ましい顔をして立ち去った。
何度もいう本当にごめんなさい。
オヤジは僕らをカモフラージュに使ってる。そしてアレは人様の山だ。そう気付いたのはずいぶん後になってからの事だ。
その日もオヤジと兄貴と3人で山を歩いてると、オヤジが冒頭のように叫んだ。「マムシだ!」と。
マムシはご存知のとうり毒蛇だ。以前からマムシの危険性について教えられてた僕はビックリして動けなくなった。兄貴も同様だ。
オヤジもジッとしてマムシが通り過ぎるのを待つか、と思ったら違った。
オヤジは素早くマムシの背後に回りこみ、目にも留まらぬ早業で尻尾を掴み、
ブンブン振り回して頭を岩に叩きつけマムシを捕獲したのだ。
ビックリした。わが親ながらスゲェと思った。
オヤジは満足そうな笑みを浮かべ「マムシ捕れたでラッキーやわ!」と言いつつ、ナイフを出しその場でマムシをさばき始めた。
小学生の僕はその光景が怖くて堪らなかったが、オヤジがさばいたマムシの腹から青黒い内臓を取り出して指にのせ、
「ほれ、食え。」と差し出して来た時にはめまいがしてきた。なにこの野蛮なひと。
「いやや!ムリムリムリムリ!!そんなん食べれへん!」僕は思わずそう叫んだけど、ごく普通の反応だと思う。
オヤジは僕が食べないって言うので兄貴の前にソレを差し出した。兄貴はペロッと食べた。すぐ食べた。コイツ馬鹿だと思った。
よくそんなん食えるな。しかも美味しいとかいう。小学生が美味しいってのはカールとかサッポロポテトとかイチジクだ。
オヤジが兄貴に食わせたもの。ソレはマムシの肝臓。漢方の世界では高級食材らしいけど、生を小学生に食べさせるオヤジもどうか
と思うし、ペロッと食う兄貴もどうかしてる。僕はこの家族を反面教師にして育ったんだなと思う。
ちなみにマムシは翌日には焼酎漬けになってビンの中でとぐろ巻いてた。
そんなオヤジは最近パソコンを始め、「元気か~♪ 俺は元気です♪」ってふざけたメールをたまに送ってきます。
11.16, 2013

前回の続き 前回はコチラ
おじさん超オススメのお風呂にようやく入ったけど、家庭用のお風呂がちょっと広いぐらいのお風呂で普通だった。
さっぱりして部屋に戻ろうとすると、廊下で手に桶とタオルを持ったおじさんとすれ違った。
なるほど。あんなにお風呂お風呂言うのは、おじさんがただお風呂に入りたかっただけなのかと納得した。先に入れよ。
もう寝よう。9時前だけどもう寝ることにした。いろいろあって疲れた。
テレビを点け、部屋の電気を消して横になり、しばらくすると壊れてる201号室の鍵が気になってしょうがなくなった。
そう今この部屋への出入りは自由なのだ。
僕は起き上がってドアの前に飲みかけのペットボトルを置き、誰かが入るとペットボトルが倒れるよう細工した。これで安心。
いやいや全然安心じゃない。楽しい旅行に来てなにやってんだと思ったがすぐ寝た。
ジリジリジリジリジリッーーーー!
ビックリして飛び起きた。まただ。これに慣れる奴なんているのか?心臓に悪いわ。
館内放送で【朝食の用意が出来ましたのでどうぞ】とかいう。
時計を見ると朝の7時だ。海辺の町の朝は早い。顔も洗わずに食事する部屋に向かった。
部屋に入って驚いた。お客さんと思われる家族連れ3人が先客でいた。いつ到着したんだろう?
テーブルは別だったので、軽く挨拶して食事を始めた。僕以外のお客さんをみてちょっと安心した。
食事は僕の今まで泊まった旅館の朝食ランキングでぶっちぎりの最下位だった。
けど、それよりも食べてる間ずっと隣の部屋からおじさんの
「ガラガラガラガラ~~ッペ!!ゲフゴヴォ!」ってうがい的な、そして嘔吐的な音が聞こえてる事のほうがつらかった。
ふと隣の家族連れテーブルを見ると、僕の朝食にはないフルーツ盛が提供されてて、あれ?おじさん忘れてるのかな?と思ったけど
最後までフルーツは僕とこには来ないままだった。もう要求するのもめんどくせ。
もう出発しよう。こんなに早く出発の予定ではなかったけど、部屋に戻り荷物をまとめフロントに向かった。まだ8時だ。
フロントでおじさんにお金を払う。¥9000って金額が高いのか安いのか、もう判らなくなっていた。今思えば高いわ。
おじさんはお金を受け取ると「2人で来るともう少し安いよ。そういうシステムだから。」と言った。
「システム」って言葉に違和感を覚え、また来る事があるのかなと思った。しかも2人ってないわ。
さらにおじさんは「1つ選んで。」と大きな段ボールをドカッと僕の前に置いた。
中には輪島塗を施されたハシが大量に入ってた。どうやらこの民宿はお土産付きのようだ。
右手にヘルメット、左手にハシ。グルメライダーとなった僕は海辺の町を後にした。
恐らく20代、30代の頃にこの民宿に泊まってたら文句ばかり言っていたと思う。
40代だからこそ怒りもせず、むしろいろんな理不尽さを楽しむ余裕ができたと思うわけなんですよ。一人だったし。
とはいっても、またあの民宿泊まりに行くか!って気には全然ならないです。
お土産のハシはどこかに失くした。
11.12, 2013

僕の趣味の一つがバイクです。ちょこちょことツーリングに行くのです。
今年の夏は1人で能登半島1周ツーリングに行ってきました。
1泊2日の遠出ツーリング。1人でもなかなか楽しかった。能登半島は海あり山ありでツーリングに最適でした。
その時に泊まった民宿のホームページには温厚そうな老夫婦が笑顔で寄り添ってます。
料理の写真は海の幸満載で美味しそうなお刺身がドンッと掲載され、
「毎朝市場で新鮮な食材を仕入れてます!」太字で書かれた売り文句に、おじさんの笑顔。間違いねぇなと思い予約しました。
そんな民宿での出来事です。
ツーリング初日を終えて宿に到着。
「こんにちは~!」と民宿に入ると白ランニングに白ステテコのおじさんがギロリとこっちを見た。ホームページのおじさんだ。
「予約した人?」
「はい、お世話んなります、電話したコギソです」
「書いて」
「え?」
「宿帳」
「あ、はい」
僕は入って10秒足らずで宿帳に記入し始めた。
ここまで「いらっしゃい」含む挨拶はなし。なかなかのクイック&スパルタンな感じ。
書いてる間におじさんは引き出しからゴソゴソと部屋のカギを探して僕に差し出した。
カギは小さい鈴がついてて、僕が手にするとチリリンとかわいい音で鳴る。自転車のカギについてるアレ。
「部屋は201号室。あとお風呂用意できてるから」
おじさんに笑顔はない。
建物は古いけど小奇麗で、ところどころにおじさんたちの生活感が漂ってる感じの民宿。普通だ。
部屋に入って荷物を整理してるとドアをノックされ、おじさんが顔をのぞかせて言った「お風呂用意できてるから」。
まだ5時だったので、「あとで入ります」と答えるとだまってドアを閉められた。
なんかコワイ。ホームページのイメージと随分違うな。そっけない対応がウリとみた。
ようやく部屋で一息ついた。食事は6時30分からなので、食事まで少し寝よう・・
横になってウトウトし始めたら、ジリジリジリジリジリッーーーー!と火災報知機みたいなベルの音で飛び起きた。
火事!?と思ったら、館内放送で【お食事の用意ができましたのでどうぞ】とかいう。びっくりするわ。
にしてもまだ5時15分だ。早くないかい?まぁいいやと部屋を出たが201号室の鍵は壊れてた。
食事をする部屋にはすでに料理が並べられてた。
客は僕一人だけだ。どうやら館内放送は僕だけの為に放送してくれたようだ。ありがてぇ。
ビールを頼んで、料理を食べた。が、どの料理も冷めてた。てか本当にマズかった。ゴハンですら冷めててカタい。
でも海まで歩いてすぐの立地。お刺身は美味いんでしょ。毎朝仕入れてるからね。
カルパッチョ・コギソの異名を持つサシミストの僕はお刺身に期待した。
あっさり裏切られた。なにこれマズイ。赤身3切れのみ。メインが豚の生姜焼きって、毎朝何を仕入れてるんだろう。豚か?豚なのか?
父親から「ヨソで出されたものは全て食べろ」と教えられた僕は頑張ってそれらを完食した。僕が黙々と料理と向き合ってる間、
隣の部屋でおじさんとおばさんはずっと小声でケンカしてた。外にある鉢に水をやって来い、あんたが行け、の応酬だ。
僕がやってこようかと声かけようと思ったがやめといた。温厚そうな夫婦でもケンカぐらいするさ。
食べ終わるころにおじさんが来て、「お風呂用意できてるよ」とまた言った。
「風呂に入れ」って言われる実家気分を味わいながら、返事を曖昧にして、僕は夜の海辺の町へ散歩に出た。
月明かりが綺麗で海風が涼しい。気持っちええわ~「旅」って感じがするわ。
すぐ近くに地元の居酒屋さんがあったので入ってみた。日本酒を頼み、刺身を食べてみた。なにこれウマイ。涙が出るほど美味かった。
僕は民宿での夕食を後悔し、父親を恨んだ。
ほろ酔い気分で宿に戻るとおじさんが「お風呂用意できてるから」とまた言った。これ挨拶なのかな。
僕はゆっくり頷いて風呂に入る事にした。
11.8, 2013

先日、女の子がいるお店で飲んだんですよ。女の子は20代前半の若い子達だったんですが、
もうね、そんなに若い子とは共通の話題もないので、酒飲んで適当に喋ってたんですがネタもなくなり、しょうがないから、
「じゃあさ、好きな芸能人とかってさ、誰?」
ってもうこの世の中で何万回と繰り返された質問を投げてみたんです。
どうでもいい。ホントどうでもいい。ケイン・コスギの本名がケイン・タケシ・コスギって事ぐらいどうでもいい。
でも、僕も最近の男性俳優やアイドルについて全く知らないわけじゃないので、会話を続ける為に聞いてみたわけです。
嵐とか知ってるし、スマップもわかるし。エグザイルは今何人だっけ。
まぁ最近の若い女の子に人気なのはどんな感じかなってちょっとは興味もありました。
そしたら女の子が「私、ジードラゴンが好き!チョーかっこいいの!」とか言うんです。
「じーどらごん・・。」聞いた事ないんですよ。僕はしばし考えて、ピンと来ました。これは名前からして新手のカンフースターだなと。
ブルースリー、ジャッキー、ジェットリーに続くカンフーアクションスターだなと。
「いいよね、彼、腹筋すごいよね!」
僕は会話を続ける為にジードラゴン知らないけどテキトーに言ってみた。
そしたら女の子は「腹筋?・・は知らないけど、とにかくかっこいいの!」て言うんです。どうやらカンフースターではないみたいです。
後日調べました。ジードラゴンはG-DRAGON。韓国の人気グループBIGBANG(ビッグバン)のリーダーさんだそうで。
すいません、知らなかったです。ジードラゴンさんもビックバンさんも知らんかった。最近の芸能情報ついていけません。
昔はおニャン子クラブの名前と会員番号全部言えたのになぁ。歳でしょうか、AKBも「しのだまりこ」って子がいなくなって、
誰一人顔と名前が一致しません。若手俳優さんの顔と名前も一致しません。もう僕の頭がビッグバンですよ。
ちなみに僕が20代前半の頃かっこいい!と思った芸能人、将来こうなりたいと思った憧れのスターってのは
当時流れたこのCMで強く印象に残ってます。
実弟である渡瀬恒彦の「兄貴!男とは?」って、割と本気で考えたら哲学的になりそうな質問に対して、
やさしく「飲・む・こ・と・よ」と答える渡哲也。
チョーかっこいいわ!!兄貴は質問にも答えてねぇ!意味もよくわからん!だがそこがいい!!
こんなんなりたいわと昔も今も思ってる。
11.4, 2013

高校時代。 -続き3- 前回はコチラ
僕にとってガリ部長の質問は想定外だった。でもここでひるんではダメだ。逃げちゃダメだ!x3。
僕はゆっくりと深呼吸した後、バック・トゥ・ザ・フューチャー(以下BTF)の壮大なストーリーを語り始めた。
「マーティって少年とドクって天才科学者がいまして・・・・・」
頭をフル回転させて思い出しながら、身振り手振りを交えてBTFのストーリーと魅力を面白おかしく話した。
少なくとも、おすぎよりはうまく話せたと思う。
10分程経った。PART2の途中を語っているところで、ガリ部長が言った。
「・・・はい、どうもありがとう。今日はそれくらいにしましょうか。」
僕はまだ途中ですが、いかがされましたかなと思ってガリ部長の顔を見た。ガリの笑顔が消えていた。
えっ?ウソ!ちょっと怒ってる?話長かった?ガリ部長は不機嫌なご様子だ。
隣のぽっちゃり課長はちょっとはにかんだような笑顔を見せてた。なにこれ?んで退出。喉乾いたわ。
そんな感じで面接というより、「僕が最近観た映画を知らない人に語る会」みたいなのが終わった。しかも途中で。
「だめだこりゃ」長さん風につぶやいた。あのガリの顔に全て表れてる。きっと僕が話したBTF気に入らなかったんだろう。
さてどうしよう。重い気持ちを引きずってその日は無言で帰宅した。
その日以降、僕は落ち込んだ。やる気もなくなり、新たな就職先を探す事もなく、ちょっと自暴自棄になった。
マイケル・J・フォックスが嫌いになり、バイトで貯めてたラジコンヘリ貯金を崩して、新しいテレビ買った。29型の。
数日後、合否の連絡が入ったようで先生に呼び出された。暗い顔して職員室に現れた僕に先生は開口一番、
「コギソ、合格したぞ。」と言った。
「へっ?」ってなった。うれしさよりも、なんで?とか、あら意外!って感じが強かった。
呆然としてる僕に先生が「クールだな、もっと喜べよ。」と言ったので、グフッって笑っといた。
わけがわからないよ。
こうして僕は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で就職が決まったのだ。マイケル・J・フォックス大好き。
想像するにきっとあのぽっちゃり課長が僕を採用してくれたのだと思う。
彼は僕の話に頷いて、そうだよね!的な感じで話を聞いていてくれた。
きっとBTFのファン。ぽっちゃりのおかげで僕は入社できる。入社したらぽっちゃり課長とBTFの話で盛り上がろう!
ぽっちゃり課長、本当にありがとう!。ちなみに佐藤も合格してた。
だが高校卒業し、新入社員として入社した僕はぽっちゃり課長が退職したことを後に知る。
辞めた、もしくは辞めさせられたのは僕を採用したせいではないよねって今でも思う。
そんな感じで翌年春、僕の社会人生活が始まった。
社会人になってから、イチジクは僕の2番目に好きな食べ物に降格した。
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6回に渡って小学生~高校生までの僕の話の一部を書きました。長いです。親に読まれたら叱られる事でしょう。
社会人になってからの話もたくさんありますが、それはまた別の話。
これで僕という人間の一端が垣間見えて頂ければこれからブログも書きやすいです。よろしくお願いします。