2014 OUR FAVORITE THINGS 目前 緊急座談会
6.7, 2014
満員御礼イベント「OUR FAVORITE THINGS」が、今年から場所を変え、
更にパワーアップしたビッグフェスとなって開催されます。
実は、各務原市発信のイベントだってこと、案外知らない人も居るとか、居ないとか。
そっ、行政発なのね、これ。
そこで、次のステージを迎えるOFT 開催目前の、このタイミングに
仕掛人のみなさまに、これまでの経緯や四方山話、未来の話を聞いて参りました。。
興味のある方は、ぜひ、最後までお付き合いお願いします。
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大月: OFT / OUR FAVORITE THINGS はどういう経緯ではじまったのですか?
広瀬: もともとは「村国座」のリニューアル記念事業の一環で始まったものです。
建物の耐震補強を始め、リニューアルを行った「村国座」をそのまま放っておくのは
もったいないということで、何かイベントを企画できないかと、
その当時プロジェクトチームが組まれて、自分の出した企画が通って、実現した感じです。
いろいろな方のご協力のもと、1年目は900人くらいの来場があって、
好評だったということもあり、毎年開催するようになったというところです。
1年目は小西康陽さんのバンドを始め、アコースティックやジャズっぽい感じの
アーティストを中心に出演してもらったんですけど、
その中でHandsomeboy TechniqueというDJがすごい盛り上がって、
意外と何でもいけるなあって。そういう経緯を踏まえて現在の姿になりましたね。
大月: 「村国座」での開催の反応はどうでしたか?
広瀬: 普段文化財に触れる機会なんてそうそうないと思いますし、
音楽と文化財のミスマッチ感を含めて楽しんでもらえたんじゃないかと思います。
変わったところで変わったことをやってるなあといった感じでしょうか。(笑)
市長: 多くの方に「村国座」を知ってもらえたいい機会だったと思いますね。
昨年の帰り際に、また来年もやってほしいといった声もいただきましたし、
大変期待感が高いイベントになったんじゃないかと思えました。
大月: 各務原のまちづくりの施策について、個人的に
とてもおもしろいと感じています。そのあたりの狙いや意図を聞かせていただけますか。
市長: そうですね。今年から各務原市は、「誇り・やさしさ・活力」の
3本柱を軸に事業展開しており、OFTはその「活力」の一翼を担うものだと考えています。
昨年より事業の見直しやイベントの統廃合など、1年間かけて精査を行ってきましたが、
やはり1日だけのイベントで終わってしまってはいかんぞと、
それを何に繋げるのかということ、その継続性、
各務原らしさというものが大事だと思っています。
今後、人口減少に突入していくので、各務原市っておもしろいじゃん
といったイメージを持ってもらえる位置づけのイベントとして開催したいですね。
大月:「村国座」から場所を変える経緯もそのあたりが関係しているわけですか?
市長: そうですね。先ほどいった人口減少のことがありますので、
市内の人はもちろん、市外の方にもたくさんお越しいただいて
「各務原市って元気いいじゃん」「近いところにこんないい街あったんだ」と
感じていただきたい。「河川環境楽園」で開催することで近隣を見ていただき、
こんなところなら住んでみたいと思っていただけるような展開にしていきたいと思ってます。
1日で終わらず、後に何が評価として出るのかというところで、
ここにいる若手が頑張ってくれているところです。
年間400万人の来場者があるところで、これからの各務原の発信拠点として
生かしていきたい場所であるというのも会場の選定理由のひとつです。
市内のいろんな場所を検討したのですが、野外で大規模なイベントをやるにしても、
会場へのアクセスにしてもこれ以上の場所はなかったですね。
「各務原」ってこんな場所があるんだよねって見てもらえるような仕組みづくりを
今年は図っていきたいと考えているところです。
市長:「河川環境楽園」は、リニューアルをしていただきましたし、
年間来館者数についても愛知万博時を除いてずっと向上しております。
その会場でこのようなイベントを開催することで、
さらなる魅力の発信ができるんじゃないかと思ってます。
ということで、若手職員が必死に頑張っています!
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大月: 実際、若手職員の意見や、市民の意見をくみ取る、
そういう街だなというイメージがあるんですけど、
そのあたりは、意識している部分でしょうか。
市長: 昨年度の就任以来、「対話」というものを重視しています。
若手職員とのミーティングをはじめ、小学校、中学校、幼稚園、保育園などの
現場に足を運んで先生の話を聞いたり、市民との「まちづくりミーティング」を開催したり、
そこからいろいろなアイデアや提案などいただいて、政策に反映できるよう進めています。
また、市内29箇所の公共施設に「あさけんポスト」、
eメールで送れる「あさけんeポスト」を設置して、
市民の皆さんからたくさんのご意見をいただいています。
このイベントは若手職員の提案のひとつですが、そのほかにもいろいろな提案をいただき、
予算化した事業もたくさんあります。
大月: 他の市と比べて、各務原はここが違うんだぞ、
ここは負けたくないなというものはありますか?
中尾: ボクら若手からしたら、何か言ったら、それで終わりじゃなくて、
予算に反映されたり、言ったことが形になったりして返ってくるので、
言ったら何かできるんじゃないかという期待感があります。
それが、自分達のやりがいに繋がっていると思います。
大月: 正直、行政に言っても無駄といった空気感ってあるじゃないですか。
各務原市を見ていると、明らかにそこが他の市政と違う部分に見えます。
市長: そうなんですね。
職員には「やらされた感」ではなく「やった感」を残したいと願っています。
若手職員とのミーティング時には、「果敢なる挑戦と早期の修正」
という言葉を伝えます。とにかく果敢に挑戦をして、
失敗を失敗として捉えるんじゃなくて、完成形を目指す過程において、
ここを修正しましょうよということができれば
「各務原市が目指す市民の幸せ」に繋がるんじゃないかと考えています。
もちろん、意見を出してもらっても実現が難しいことがあります。
そこで何がダメなのかを考えてもらって、また新たに出してもらうという
建設的な作業が、その先に繋がっていくのだと思います。
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大月: 若手職員からこのイベント、OFTについて、
率直に市長に聞きたかったことはありますか?
広瀬: 去年、ステージに立たれてどうでした?
市長: どえらいあつかったんですよ。
ほんとステージに立ったときの若い人の熱気というかね、
何を喋ったらいいんだろうと思いましたもん。
大月: イベントでの市長さんあいさつはホントに評判がいいですよね。
ああいった場で市長さんのお話が聞けるのって不思議じゃないですか。
何となく盛り上がります。すごくいい光景だなといつも思っています。
広瀬: ああいう場面はこのイベントじゃないと見れないですからね。
市のイベントであれだけ若い人が来るイベントがないですし、見慣れない光景というか。
市長: そうだよねー。
大月: 若者の気持ちをがっちりつかめるチャンスでもありますよね。
広瀬: 逆にそれが狙いというか。市長さんに出てきてもらうことによって
「やっぱりこのイベントは市がやってるんだ」なと。
それが「各務原市なんですよ」ということを発信していきたいなと。
やはりこういうフェスみたいな事業に行政が関わるというのもあまりないと思うので。
市長: 珍しいわなー。
広瀬: 実は先日、某アウトドアファッション誌にOFTを掲載してもらったんですけど、
そこで野外フェスが30個ほどピックアップされていました。
そこで自治体の名前が入っていたのはうちだけでした。
市長: へえー。
中尾: 有名夏フェスが並んでいる中、うちだけがお問い合わせ先が「
各務原市ブランド創造課」って書いてありまして(笑)
広瀬: そのミスマッチ感じゃないですけど、そこがおもしろいなと思ってますし、
若い人たちに「各務原市」っておもしろそうって
思ってもらえたらいいなって思いますね。
大月: 勝手なイメージなんですけど、こういうフェスに来る人って政治や行政とは、
少し距離を置いている人達が多いというイメージがあります(笑)
そこを実は行政がやって魅せているイベントってほんとにないと思うんですよ。
そこが、「粋」だなと思います。
市長: 若手職員がいきいきとしてやっている顔が嬉しいんですよ。
広瀬: こういうイベントに予算がついてやっていけるとうのは単純に嬉しいですし、
大変だけど楽しいですね。
中尾: 市長さんじきじきに失敗してもいいよって言ってもらえるのは・・・
広瀬: 失敗しちゃダメだよ!(笑)
市長: 言葉を変えなさいよ!(笑)
広瀬: チャレンジできる!
中尾: そう、チャレンジできる!
どんどん挑戦していいよって言っていただけてるので、ホントやりがいがあります。
大月: そういう文化を作ってるのは市長さんということですよね。
市長: いやいやいや~。今の言葉でプレッシャーかけましたね(笑)
一同: 笑
大月: アーティストの人選については、若手職員にお任せなんですか。
市長: そうですね。
まったくセンスがないので(笑)やっぱり自分とひとまわり以上も違いますからね。
今回の目的としても若い人に来ていただきたい、
「村国座からのさらなる発展」を目指しておりますので、
その点については完全にお任せです。何の口出しもしてないです(笑)
一同: 笑
大月: 僕も音楽は好きなんですけど、本当にアーティストの人選が素晴らしい。
毎回すごくセンスがよくて、明らかに感度のいい層は掴んでいると思うんです。
その点は広瀬くんのセンスの良さですか。
広瀬: いやいやー。
大月: そして、そこを任せちゃう市長もすごいですね。
市長: 分からないから任せるしかないんですけどね(笑)。
でも任せると期待にも応えてくるので、そのあたりは安心しきっています。
広瀬: 嬉しいお言葉をー。
中尾: 任せてもらえるというのはありがたいというか、単純に嬉しいです。
広瀬: 任せられて伸びるという(笑)
市長: だけど、そうじゃないですか。
自分ひとりの能力なんて所詮知れたものだと思っているんですよ。
名刺も職員にデザインしてもらっているんですけど、もう今ので3パターン目かな。
これが意外と評判がよくてですね。そんな形で名刺ひとつでも遊ばせてもらっています。
逆にわくわくさせてくれるというか、そういったところが嬉しいし、
任せきれるかなと思っているんです。
大月: かっこいい話ばっかりですけど大丈夫ですか(笑)
市長: 大丈夫です(笑)
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大月: 例えば、「インディーズのアーティストを応援してて、
メジャーに行ってしまうと寂しい」みたいな感覚ってあるじゃないですか?
今回、あまり知られていない「村国座」という場所から、
知名度のある場所に変わるんですが、
「村国座」だからよかったという声に対しては、どう思われますか?
広瀬: なるほど。
この質問の回答として正しいのか分からないですけど、
そういう意味ではアーティストの人選については考えてますね。
例えば、今まで文化財で観たいなと思うアーティストを
呼んでいたつもりなんですけど、今年は野外だからこそ、
観てみたいアーティストを考えてブッキングしたつもりです。
「野外でまりん」とか。但し、今までの流れや雰囲気を壊さないように、
これまでにも出ていただいたアーティストで野外に合いそうな方にはお願いしたりと、
文化の香りみたいなのはなくなってしまいますが、
ちゃんと続いてる感は出そうと考えています。個人的な感覚ですけど(笑)
中尾: あと、「村国座」での開催はかなりリスキーなところもあったのが事実です。
これまでの5年間1度も雨が降らなかったからよかったんですけど、
雨が降っちゃうと毎年駐車場として借りている小学校のグラウンドが
貸してもらえなくなってしまうとか。
市長: 文化の香り高いと言うといろんな見方があると思うんですよね。
これまで5年間、若い方に「村国座」で来ていただいたことで、「
村国座」を知っていただきたいという初期の目的を達成したと考えているんです。
今回、会場を移す「河川環境楽園」はもともと集客力のある施設ですし、
「各務原市に来たら他にどんなところがあるんだろう」
というとっかかりになればなと思っています。会場を変えることによって、
「村国座、航空宇宙科学博物館、アクア・トトぎふ・・・
ほかに各務原って何があるんだろう」という気づきを持ってもらうイベントに
していきたいなと考えておりますね。
広瀬: たまたま「村国座」を知ってもらうために開催したイベントが、
こんなに毎年お客さんが来てもらえるイベントになるとは思っていませんでしたし、
さらに「各務原」へ来ていただくひとつの要因に成長してきたということで、
これからは「各務原の活力」をもっと発信するためのイベントとして頑張っていきたいなと。
そういうポジティヴな意味での変更だと捉えていただけたら嬉しいです。
市長: そうそうそう!
イベントを取り崩して、新たに組み立てて立ち上げるというのは
ホント労力がいると思うんですよ。
その点についてはホント若手職員が頑張ってくれたと思ってます。
広瀬: 今回からは市だけではなく、
商工会議所青年部や青年会議所の方にも関わっていただき、
実行委員会として実施をするんですけど、その意図としては、
もし行政がお金を出せなくなったら「やーめた」ってならないよう民間の力を借りながら、
ずっと続けていけるよう成長させていかなくちゃいけないなと思っています。
市長: そうだよね。
広瀬: 今年はいろいろな方に関わっていただく初めての年になりますし、
実際のイベントを観ていただくところから始めたいなと思ってます。
そこで観ていただいて賛同していただける方を増やす試練の年だと思っています。
市長: 行政がやったことを引き継ぎさらに盛り上げていきたい
という団体が出てくれば、そういう団体にお任せして、民間活力の活かし方ということで、
さらなる魅力の発信という感じで繋げていければそれが理想ですね。
大月: それは素晴らしいですよね。
市長: そこで職員もまた新たな発想の実現に向かっていけるという
繰り返しができたらと思ってます。
大月: 最後に何かありますか?
広瀬:この対談で「各務原市」という街が何を考えてOFTを開催しているのか。
「各務原市」の意気込みが少しでも伝わればと思います。
大月: ありがとうございました。
「村国座」とは・・・
各務原市にある国指定の重要有形民俗文化財。明治時代に建てられた歌舞伎舞台で、
廻り舞台を備えた舞台と客席を持つ本格的な地歌舞伎舞台。
素晴らしいインタビュー、Twitterで拡散させていただきました!
ブログの中にしっかりとした読みものがあるっていいですね。
ロミ姉、いつもありがとうございます。
内容的には、どうしても想定内を超えれない部分もありますが、
海の物とも山の物ともつかない場所で、市政の方向性を少しでも伝えていこうという
各務原の姿勢は、素直に素晴らしいと感じています。
拡散も本当にありがとうございます!
ロミ姉のようなプロがインタビューアーがやると、もっとよかったんですが。。
いやいやいや、大月さん、するどい視点で、原稿では自分の存在を薄くして端的に、
素晴らしいです!
大月さんにしかできないインタビューですぞ。
イベント、たくさんの若者がステキな音楽を楽しみに集まるといいですね。
ロミ姉、ありがとうございます。
ロミ姉からの及第点、嬉しいです。
何となく持ってる政治への嫌悪感って、首を突っ込むことで、
少しずつ変わっていく気がしています。
今回は、各務原市の粋なはからいで、とても良い機会に恵まれました。
ありがたいです。